ビザ取得 -最終編-

さて皆さん。
やっと最終回です。
全10回に渡ってお送りしてきましたビザ取得シリーズ。
さぁクライマックスやいかに!?


前回までに書いてきましたように、
2004年12月17日、夢にまで見た仮入国許可証の取得に成功。
イタリアの曖昧さに乗じて12月も問題なくミラノ滞在を終え、
売り上げもしっかり取りました。
残るはいよいよ在日イタリア大使館への自営業ビザの申請です。

2005年1月、店長は東京三田にある在日イタリア大使館領事部へ。
全ての書類は揃っております。
意気揚々です。

余談ですが、各ビザには発給枚数の上限が設定されておりまして、
店長が取得しなければならなかった自営業ビザは、
1年間にわずか200枚程度しか発給されません。
ですから普通であればできるだけ早くにビザの申請をしたいところです。
ただ、毎年1月1日が新たな200人の受付開始日ということですので、
2004年末の時点で書類が揃っていた店長にとっては、
それも大した不安要素ではありませんでした。

年明け最初の申請は、確か2005年1月11日の火曜日のことだったと思います。

どうせ大使館なんて年始は10日過ぎまで休んでんだろ!?

などと高をくくっていたところ、3日から開館していたようで非常に焦る焦る。
意外に働き者だったので1mmくらいは親近感が沸きました。
まさかこの1週間で200人の発給枠が埋まるとは思えませんが、
兎に角一刻も早く申請を受け付けて貰わないと、
8ヶ月の苦労が泡と消えてしまう訳です。

さてそんなこんなで大使館内です。
昨年8月の申請の際は、2つの窓口を両方イタリア人が担当しておりました。
ところが今回は2名とも日本人ということで、
店長の緊張が和らいだのは言うまでもありません。
さっそく全書類を提出。
そして窓口の担当者様曰く、書類は完璧!
ビザ発給に関して最終決定権を握る上司に見せる間、
15分ほど待機するようにとのこと。
必要書類一覧に書かれた書類は完璧に揃っていましたから、
当然と言えば当然の結果です。

 

-20分後-

 

窓口担当者の上司に当たるイタリア人が登場です。
そして奥の扉から中に入って来いとのこと。
大使館領事部の内側の内側に初潜入です。

 

上:『君は英語かイタリア語喋れる?』

店:『イタリア語よりも英語の方が喋れます。』

上:『じゃあ、英語で説明しましょうね。』

店:『はい、お願いします。』

上:『まずね、この住居証明。
   大家さんがこの書類を作った日付が2004年の6月になっているでしょ!?
   これ古すぎ!

店:『そ、そんな・・・。』

上:『それからこの決算報告書。これも古すぎ!
   2003年のものじゃ古いから、
   2004年のものを税理士さんに大至急作って貰いなさい。』

店:『いや、でもまだ2005年になって10日しか経っていませんよ!?
   さすがにそれはちょっと・・・。』

上:『とにかく税理士さんに問い合わせてみなさい。
   それができたらビザ発給してあげます。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またかよっ!

 

 

また・・・・・・書類を突き返されてしまいました。
しかも今回指摘された書類はイタリアに連絡しなければ作成不能です。
ビザ発給の最大枚数の問題もありましたし、
大使館を去る時はさながら千鳥足でした。
ただここまで来るともう行ける所まで突き進むしかないですから、
兎に角その日の電車で実家のある甲府に戻りまして、
さっそく現地と連絡を取りました。

幸い大家さんはとても親切な方で、
連絡の翌日には日付を書き換えた住居証明をFAXにて送って下さいました。
これで第1の問題は即座にクリアー。

そして問題は税理士にしか作成できない決算報告書です。
イタリアでは、決算の締め日が法律で12月末日と決められています。
しかも青空申告というシステムがないので、
決算報告書は必ず税理士によって作成されなければなりません。
現地税理士から今回の件に関するメールが返ってきたのが1月15日。
この時点で2004年度の経理が締まってから15日しか経ってない訳ですから、
全ての仕事が遅いイタリア共和国にあって、
決算報告書が即座に完成するとは到底思えません。
ここまできて、やはりビザの獲得は不可能なのかと失望にくれつつ、
税理士からの返信メールを訳していきますと、
そこには驚愕の新事実が書かれておりました。

 

 

ご存知のこととは存じますが、イタリア商法では、
全ての会社の決算〆日は毎年12月31日と定められております。
また、税務署に決算報告書を提出する期間も毎年6月と決められている為、
各税理士は、クライアントから、年始までに前年度の全書類を受け取り、
半年かけて決算報告書を作成するのがこの国のルールとなっております。
ですから2004年度の決算報告書を今すぐに作成することは不可能ですし、
もし仮に作成できたとしても、税務署への提出ができない訳ですから、

ビザの申請書類としては無効ということになります。
  
* ビザ申請に必要な決算報告書は、税務署に提出されたもののコピー
貴殿からのメールに登場するその大使館職員の要望は、
到底イタリア人の発言とは思えない
のが私共の正直な所です。

 

 

いやいやいや!
どうなってんだ、大使館領事部!出て来い上司
法律で作成不可能なものを提出しろと言われましても当方困惑です。

 

 

・・・・・・・頼むよ、本当に ボソ

 

 

そういうことで、2日後の17日、再度大使館へGOです。
窓口で前回のあらすじを伝えますと、早速上司登場でまたしても館内へ。
まずは住居証明を見せてこの書類の問題はクリアー。
続けざまに弊社顧問税理士から教わったイタリアの国内法をそのまま伝えます。

 

 

24歳の日本人小僧がイタリア大使にイタリア商法を教えてる様ってどうなの!?

 

世の中不思議なことがいっぱいですね!

 

兎に角説明は終わりました。
もう勘弁して下さい。もうこれ以上は本当に無理です。
大体もうこれ以上言及され得る書類の不備はないはずです。
ところがなぜか日本語を喋れるイタリア人部下を呼ぶ上司
そしてその部下曰く・・・

 

部:『あのね。必要書類一覧にはないんだけど、
   雇用契約書を作ってきてくれる?』

店:『え?いやでも僕が経営者なんです。
   会社の定款にも取締役として名前が既に入っていますし、
   どちらかと言うと雇用する側なんですが・・・・。』

部:『うん、いやそれは分るんだけど・・・・・。
   君が取締役になる前に既に取締役がいた訳でしょ?』

店:『はい。父と母が取締役になっています。』

部:『代表取締役社長はご両親のどちら?』

店:『母です。』

部:『であれば、お母様の名義で、本当に簡単なものでいいから。
   覚書程度でいいから契約書を作って来て下さい。』

店:『いや・・・しかし。』

部:『君を取締役として会社に入れましたっていう1文だけでもいいから。
   それとね、必ず22日までに作成してきてね。
   それ以降だとビザなくなっちゃうから。』

店:『それまでに持って来たら絶対にビザ発給して頂けるんですか?』

部:『それは約束します!』

店:『じゃあ・・・・・・分りました。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いい加減にしろ!

 

どうなってんだ、

       イタリア大使館!

 

 

という訳で再び申請は却下され、再び千鳥足で帰路に付く店長。
しかし凹む暇もなく、母親にすぐさま連絡を入れ、大至急この書類の作成を依頼。
翌日には書類のFAXにて手に、再び大使館領事部に出勤 を訪問致しました。
これだけ毎日大使館に通っていたら、
出勤しているような錯覚に陥るのも無理はありません。
店長、間違っていないと思います。(笑

 

そして遂に遂にこの日がやってきました。
2005年1月18日、遂に店長の前に立ちはだかり続けた上司は店長に屈し、
ようやく店長のビザ申請が受け入れられたのです!
勿論即日発給にはならず、この日は引き換え券を手渡されました。
そして約1ヵ月後に再び領事部ビザセクションに来るように、とのことでした。

ただし、店長はこの時あまり嬉しくはありませんでした。
というのもこれまで散々各諸機関の裏切りに合っています。
もう裏切られるのは沢山です。
ビザを実際に手にするまでは、
いくら引き換え券を手にしたと言えど安心できません。

 

ちょっとした人間不信ですね。

 

 

完全なるイタリア不信ですね。

 

さて2005年2月15日になりました。
そろそろ約束の1ヶ月になります。
そこで店長さんは意を決して大使館領事に電話を掛けてみました。

 

店:『もしもし。あの、1ヶ月ほど前に自営業ビザの申請をした者ですが・・・。』

領:『あ、はいはい。お名前を仰って頂けますか?』

店:『柳澤と申します。』

領:『少々お待ち下さい。』

店:『はい。』

 

 

-15分後-

 

 

領:『えぇっと、はい、柳澤さんですね。ビザ出来てますよ。

店:『!!!!!!!』

領:『いつでも取りにいらして頂いて結構ですので。』

 

 

・・・・いや待て。

まだの可能性がある。

実際に手に取るまでは落ち着いて平常心を保とう。

 

 

・・・・・完全に病気だな。

 

 

という訳で宝くじが当たってしまったような複雑な心境を抱きつつ、
緊張の面持ちで翌日には大使館へ。
引き取り専用窓口に行くと、そこで待っていたのは嘗ての宿敵・上司
不敵な笑みを浮かべています。
胸騒ぎがしました。

まさか!
またなのか!
またしても却下なのか!

 

店:『あ、あの・・・・ビザが出来上がったと伺ったのですが・・・・・。』

上:『えぇっと、柳澤さんだったよね?』

店:『は、はい。』

 

 

            ドキドキ

 

 

 

                        ドキドキ

 

 

 

           ドキドキ

 

 

 

 

        ドキドキ

 

 

 

 

 

 

 

 

上:『8300円になります。(超笑顔

 

 

 

 

 

 

 

金取んのかい!!

 

 

しかも高い!!

 

 

まぁ最後にオチが付きましたが無事にビザは取得できました。
大使館からの帰路、近くの公園で涙したのは言うまでもありません。
苦節10ヶ月。10ヶ月ですよ!
こうしてようやく、ようやく!!!!
イタリア共和国における自営労働許可証を手にした訳です。
せっかくなので皆さんにもお見せしましょうかね。
海外旅行での出入国の際にパスポートにスタンプ押されますよね!?
あのスタンプを押す為に用意された数ページのうちの1枚に、
こんな感じで↓ビザが貼り付けられる訳です。
VISTO.JPG
家宝にしてます。挑戦の象徴です。(笑       *クリックで拡大

さてさてその後は翌週の2月22日にはミラノに帰還。
3日後の2005年2月25日には無事に現地にて滞在許可証も取得致しまして、
この日から本当の意味での戦いが始まったんですね。

あ。

今サラっと書きましたが滞在許可証を取得するのには6時間待ちました。
朝6時には中央警察署に並びまして、結局取得できたのは12時。
特に書類を突き返されたりということはありませんでしたが、
兎に角この待ち時間・・・・・どうにかならないものでしょうか!?

 

 

ばぁ~疲れた!

長々とご愛読ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ってブログ自体は最終回じゃないですよ!(汗

「ビザ取得 -最終編-」への8件のフィードバック

  1. こん○○は。
    ビザ取得お疲れでした。
    就労・営業関係のビザはどこの国でも大変なんですよね。
    イタリヤはやっぱり「ピザ]・・・
    ミラノにいる間に「スプマンテ」1本くらい飲めるようにしましょう。
    では。。。

  2. >のんべえ様
    ビザ取得がピザ取得くらい簡単だったら・・・・。
    失敬。
    スプマンテ・・・・飲めるように頑張ってみます。

  3. はじめまして!
    ビザ収得、とても参考になりました。
    私も実は自営で取ろうと・・・苦節7年、やっとやっと労働契約してくれた会社を見つけ、学生としての滞在許可書は1年半前に更新した際、どうやら今度は更新は難しいと法律が変わったという話を聞いて、一度、日本に帰国して観光ビジネスでイタリアに戻っていた時に不運にもこの学生のときの滞在許可が更新できませんでしたと言い渡され、機嫌が超悪かった警官にイタリアから出ないとこれから申請する労働ビザ止めてやる!と脅されて、ただいま委任状をイタリアに送り、多分この仮入国許可を待っているところです。
    はあああああ、道のりは長いですね。

  4. >MIKA様
    ご苦労されてらっしゃるご様子で、
    もどかしさをお察しします。
    ビザ取得が叶うことを願うばかりですが、
    正直担当者にいい人が当たるかどうかの運が大きいと思います。
    祈りましょう!

  5. ちなみにですね、この仮入国許可書ってNulla ostaですか?
    今日、私の会計士で代理人として商工会議所内の書類を集めてくれている人から聞いたんですが、商工会議所内の書類は近々揃うらしいんですが、それもって大使館行ってねってと言われて。
    で大使館からイタリアのQuesturaに送ってもらってねっていったいなんのこと??????
    そんな行程聞いた事がないんですよ。
    おまけに私は北海道。
    そんなしょっちゅう、はいそうですかとは東京に飛行機に乗ってはいけません。
    それにしても大使館の日本人職員怖そうなんですよね・・・・・。

  6. >MIKA様
    そうです。
    仮入国許可証=nullaostaです。
    それで、在日イタリア大使館に申請書類を持参すると、
    大使館からquesturaに連絡がいくという話は聞いたことがあります。
    MIKA様同様、現在自営業ビザの取得に翻弄されてらっしゃる方から、
    まさに同じお話をメールでのやり取りで伺ったことがあります。
    あ、でもその方は『ビザの申請書類』を全部揃えて大使館へ行くと・・・と言っていましたが。
    店長日記本編でも書きましたように、
    大使館は外務省管轄、警察は内務省管轄で、
    横の繋がりは殆どないと個人的には思っていましたので、
    かな~り信じられなかった記憶があります。
    しかし別ルートから同じ話が出てくるとなると信憑性がありますね。
    んーどうなんだろう。
    しかし店長が取得した頃とは大分状況が異なっているようでなんとも・・・・。
    ちなみに店長取得の際の大使館職員の方は2人共いい人でしたよ。
    冗談でも何でもなく、諦めないという事しか解決方法がないように思いました。
    頑張って下さい。

  7. >MIKA様
    そうなってくると、大使館がイタリア国内のquesturaの連絡先を網羅しなければならない訳で、
    やつ等がそんなことできる訳ないと思う訳です、個人的に。ww
    とにかく頑張って下さい!

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