火山に学ぶイタリア交渉術

火山で帰国できなくなってうちに宿泊していた友人A達が1泊2日でベネチアに行っている間、
火山で別の場所に延泊していた友人B達に頼まれてうちでぺペロンチーノを作りました。

翌日ベネチアから帰って来た友人A達は帰ってくるなり部屋のにんにく臭を察知し、
我々だけぺペロンチーノを食せないのは甚だ遺憾だということでしたから、
間1日挟んで日曜日も大量のにんにくを刻むことになったあたくし。

己の手の臭いがおぞましい。

ということで本日も本題。

冒頭に登場した友人A達はサローネの視察でミラノに滞在していた訳ですが、
期間中に発生したアイスランド火山の噴火にまんまと捕縛されて帰国不能に。

19日のフライトで日本に帰るはずでしたが、
前日までに予約していたスカンジナビア航空からメールがあり、
予約番号を入力の上、希望の振り替え便を指定するよう指示がありました。

が。

待てど暮らせどこの返信が返ってこない。
直接空港にも出向いたそうですが、窓口は閉まったままで、
カスタマーセンターに何度電話をしてもオペレーターとの通話には至らず、
挙句の果てにはそのまま週末に入ってしまった為に、
遂にはカスタマーセンターに電話自体が通じない状況。

難民ですよ、もはや。

ミラノに知り合いがいない人とかどうしたんだろうと思います。
ずっとホテルに延泊した人だっているはずで、
その料金たるやさぞかし高額だったことだろう、と。

この友人達は結局エディーハード航空の東京行き格安航空券をWEBで押さえ、
とりあえずはこれを保険とした訳ですが、このチケットで帰国した場合、
ミラノ発が27日、ドバイで死ぬほど待ち時間があって、日本到着が29日という惨劇。

日本の皆様におかれましては言うまでもないことですが、
日本は29日からゴールデンウィークですから、
その前に出社しないとほぼ1ヶ月も会社を休むことになってしまいます。

せめてGW前に1日は出社しないと、GW明けに机がないと思うんです。

と、半泣きの友人2名。
わたしだって友人が路頭に迷う様は見たくありません。

ということでイタリア語と英語と甲州弁と若干の鹿児島弁を操るわたくしが、
彼女達に帯同して空港まで出向き、代わりにチケットの振り替えを交渉しましょうという展開。

我々が空港に到着したのは25日、日曜日の13時15分。
まずは空港の電光掲示板で各社の運行状況を確認すると、
14時30分発でアリタリアの東京行きが確認できました。

出発まで1時間強でしたから、
まずはダッシュでアリタリアのチェックインカウンターへ。

店: すいません、スカンジナビア航空(以下SS)で19日に航空券を予約したんですが、
   火山でこの便が飛ばなかったので振り替えのチケットを探しています。

ア: なるほど。

店: 難民を助けると思ってアリタリアのチケットに振り返られませんか?

ア: 私には権利がありません・・・。なのでチケットカウンターに行ってみて下さい。

店: そうすれば可能性がありますか?

ア: 現在全航空会社が協力体制にあるので、できると思います。

店: !!!!!!!!!!!!!

ということでチケットカウンターへ。

店: すいません。SSのチケットをアリタリアに振り替えたいんですが。

ア: そんなのできる訳ないでしょ。

店: いや、でもチェックインカウンターのお姉さんができると。

ア: SSに直接交渉して頂戴。我々には権利がないわ。

店: でもSSのカウンター閉まってるんです。

ア: まったく迷惑な話よね。彼らは混乱を恐れて逃げたわ。
   噴火後、結局SSのカウンターは1回も開いてないのよ!

店: 電話にも出ません。どうにかなりませんか?

ア: 我々には権利がありません。

店: 分かりました・・・・。

再びチェックインカウンターへ。

店: チケットカウンターに行ったけど駄目だそうです。

ア: フライト1時間前を切っちゃったからもう発券できなかったのよ。

店: いや、我々には権利がないと仰ってましたが?

ア: そんなはずはないわ。できることはできるはずよ。
   多分面倒臭かったかったからそう言ったんでしょうね。

店: 俺が噴火です。

ア: ちなみに明日のアリタリア東京行きはもう満席だから振り替えはできないわね。

店: 明後日はどうですか?

ア: 明後日も一杯ね・・・。残念だけど。

店: そうですか・・・。ご丁寧にありがとうございました。

ア: あなた達も大変ね。

ということでアリタリアは没。
チケットカウンターのソバージュには嘘までつかれる始末です。

で、困った我々はJAL MILANOの友人に電話をしてみました。
したところ航空会社別のではなく、ジェネラルなチケットカウンターというものが存在し、
そこに行けばチケット振り替えの手続きができるかもしれない、と。
そのカウンターから要請を受ければJALはSSのチケットを振り替え可能との情報を奪取。
ということで速攻でそのジェネラルのチケットカウンターへ。

店: すいません。SSのチケットの振り替え要請をここで出来ると聞きました。
   明日のJALの夜便にSSのチケットを振り返られませんか?

担: そんなのできる訳ないじゃない。

店: いやでもJALの友人にそう聞いたんです。
   JALはこちらかそういった要請を受けないと振り替えできない、と。

担: あなた達が持ってるのはSSのチケットでしょ?
   だったらSSに直接交渉しなければならないのは分かるわよね?

店: でもカウンターは閉まっているし、電話にも出ないんです。

担: SSのカウンターは確かにずっと閉まりっぱなしね。逃げたのよ、やつ等!

店: ここからJALの担当者に電話だけでもかけて貰えませんか?

担: ですから我々にはその権利がないの!
   私達はSSの人間でもなければJALの人間でもないのよ!
   分かるかしら、このイエローモンキー!?

店: 俺が噴火です。

ということでこちらもダメ。
同じ交渉内容でも担当者が違うと通ることがありますから、
時間差で別の担当者にも食い下がりましたがやはりダメでした。

もはや術がありません。
JALは個別のチケットカウンターをマルペンサ空港内に持ちませんから、
空港にいるJALの人間に交渉してSSと連絡を取って貰うという方法は、
JALの成田行きの便が飛んでいる日にしか成立せず、
この日はJAL便が飛んでいない日でしたからどうしようもありません。

そこで最後の手段。
この日に飛ぶ唯一のSS便は20発のコペンハーゲン行きでした。
空港のチェックインカウンターは3時間前に開くことを知っていましたから、
そのSSのチェックインカウンターにいる人間を軟禁詰問してチケットを奪取しましょう、と。

20時の3時間前ですからSSのチェックインカウンターが開くのは17時。
その他全ての方法が万策尽き果てたのが14時過ぎ。
ということで空港で3時間の暇を潰し、いざ戦場へ。

店: すいません。19日のSS便を抑えていたのですが、これが火山で飛びませんでした。
   ですから明日の便に振り替えて頂きたいのですが可能ですか?

ス: ここはチェックインカウンターですので私にはその権利がありません。

店: しかしチケットカウンターは閉まりっぱなしだし、
   お宅の会社のオペレーターは電話にも出ません。

ス: そう言われてもできないものはできません。

店: メールをするよう指示があったのでそれに従いましたが、
   一向にそちらからの返信もないので他に術がないのです。

ス: 私はただのチェックイン担当者に過ぎませんから権利がありません。

店: でも本来の帰国日からもう6日も経っているんですよ!?

ス: お察ししますが不可能です。

店: 私が噴火する前に責任者に電話だけでもかけて貰えませんか?

ス: ・・・・・多分無理だと思いますよ。

店: お願いします。無理でもお願いします。ほら早く受話器を取って!

ス: もしもしマルコ?チェックインカウンターのジョバンナです。

-10分ほど事情説明-

ス: 超法規的措置ということでチケットを発券できそうです。
   とりあえず元々の予約番号とパスポートをお願いします。

店: !!!!!!!!!

ス: あらぁ~!?やっぱりできないかしらねぇ・・・・。

店: ドキドキ

ス: ここをこして・・・・

店: ドキドキドキドキ

ス: 予約番号がこうでしょ・・・・

店: あら出来た。

店: だぁぁぁああ嗚呼ああああああああああああああ!!!

ということで無事にチケットが取れました。
チケットが目の前にかざされた時には、
目を潤ませ、命の恩人だと私を拝む彼女達。

大袈裟です。ww

そんなことで今日彼女達は私を踏み台に日本に帰ってゆきました。w
イタリアでの交渉は粘った者勝ちみたいなところがありますが、
やはり慣れていないとなかなか難儀であることには違いありません。

未だ日本に帰れていない方も結構いらっしゃるようなので、
我々だけが声を大にして喜んでもいられないんですが、
でも我々的にはめでたしめでたし。ww

そのうち難民化した日本人のコンサルビジネスでもやりましょうか?w

火山にも負けない店長日記に今日も清き1票を。
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「火山に学ぶイタリア交渉術」への2件のフィードバック

  1. よくがんばった!おつかれさん。
    あんまり役に立たなかったよね。ごめんね~。
    まだあのパニックが夢に出てきます。
    ゆっくり休んでね~。

  2. >同郷人様

    いえいえ何を仰いますか。
    頂いた情報で全ての選択肢が揃った訳ですから、
    電話した意味がかなりありましたよ、いやマジで。w

    とりあえずはあたくしなんかよりも同郷人様の方がお疲れでしょうから、
    暫くはスカッシュにも行かずにゆっくり休んでくださいね。

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