Giubilare Milano物語 -デザイン編- Vo.4

来季の新作打ち合わせに追われて猛烈に忙しく、
2週間以上、遅々として治らない風邪を患い、
そんな中で無理矢理にサッカーの大会に出場したりしたものですから、
翌日ジーンズを履こうとした瞬間には軽度のぎっくり腰を喰らいました。
禁煙こそ続いているものの、結局ランニングは72日で断念。
2年半もの間、うがいと手洗いだけで風邪を引かなかったこの私がですよ、
健康に良いであろうランニングを始めた途端に風邪引くとか・・・。

人生は厳しいぞ、息子よ。

そんなことで本日も本題。

さて、我がGiubilare Milanoのオリジナルバッグは、
トートバッグからそのキャリアをスタートすることとなりました。
話題は、では、どうやってシンプルトートバッグに高級感をプラスオンするのか、です。

時は2011年7月。
コーラで喉を潤していたご機嫌な午後3時頃だったと思います。
何の前触れもなく天の御神のお告げを賜りました。

汝、南へ行くべし

カメオ、という商材をご存知でしょうか。

cammeo

カメオとは、メノウ、大理石、貝殻などに浮き彫りを施した装飾品・工芸品のことを指します。古代ギリシャにその起源を持ち、近年では特に貝殻を彫り出したシェルカメオが、装飾品として珍重されています。
現在のシェルカメオは、その殆どが南イタリアのナポリ近郊の港町、トーレ・デル・グレコで製作されており、多くのカメオ彫刻家がそれぞれの特性などを生かし、現代アートカメオを製作しています。

・・・とWikipediaにもある通り、(笑
現代のカメオはほぼ100%がナポリの隣町トーレ・デル・グレコで生産されています。
随分長い間イタリア国内では南部貧困地域の民芸品的な扱われ方をされており、
伝統、もしくはアートとして尊重されることがなくなりつつあった中で、
この風潮に一石を投じた会社があります。

多くの才能ある作家を発掘し、
再びカメオを芸術として世に認知させ、
革新的な色付け技術を開発するなどして、
あのローマ法王に自社製品を献上したこともある会社です。

Papa'

弊社本社は幸運なことにこの会社と20年来の付き合いがあり、
特に現社長のジュゼッペ・ボリエロ氏には、
現在わたくしが所属しているイタリアの法人を設立する際にも多大な尽力を頂きましたし、
何よりもわたくしの結婚式の主賓スピーチを彼にお願いしたほどの仲ですので、
件の啓示を承った次の瞬間には彼に電話をしておりました。

私: 神の遣いの私だ。

ジ: ど、どうした?

私: いや、ちょっとご相談なんですけども・・・。

ジ: 伺いましょう。

私: おたくのカメオをさ、バッグのロゴプレートに応用できないかな?

ジ: お、おぉ!?・・・お前うちのカメオの値段知ってるやんね?

私: 時に数百万になることは存じておりますよ。

ジ: それだけでバーキンより高くなっちゃうけど良いわけ?

私: 例えばさ、貝殻を工業技術で切削することは不可能なわけ?

ジ: なるほどね。

私: うちの商材はバッグだからさ、どっちにしても個体差NGなんですよ。

ジ: 貝殻を機械で削ってカメオ風にできるかどうかか・・・。

私: それ的な事やってる会社ないの?

ジ: ないね。どれだけ安いものでもカメオは全部手掘りだから。

私: ま、マジか。すげぇな、カメオ業界。

ジ: 確かに工業技術で貝殻を切削して大量生産すれば格段にコストは落ちるだろうな。

私: しかも、個体差も出ないでしょ!?

ジ: 面白いこと考えたな。

私: 工業切削で貝殻削れる会社探してみるから、そっちでも探してみてくんない?

ジ: う、うーん・・・・。

私: あとさ、カメオに色付ける技術って世界特許だよね?

ジ: そうだよ。

私: 半貴とか貴石とかをパウダーにして色付けてるんだよね?

*イメージ画像
CAMEO

ジ: ピンクトルマリンとか、オニキスとか、エメラルドとかまぁ色々だな。

私: ということはさ、色付いてる部分はジュエリーと呼んで差し支えないと?

ジ: ありませんね。

私: 競合他社は真似できないよね?

ジ: あんなに綺麗に色入れられるなら入れてみやがれ。

私: そ、そうですよね。あの技術は革命的ですもんね。

ジ: 大体ね、宝石をパウダーにすることすらできないと思うよ。

私: 素晴らしい。

ジ: 色付けの工賃自体はそんなに高くならないと思うよ。

私: ということはさ、土台が工業技術で安くできれば解決じゃんね。

ジ: まぁそうだけども・・・・。

私: なに?

ジ: うーん、あんまりお前に金のこととか言いたくないんだけどさ・・・。

私: なんだよ?

ジ: 色付けだけ依頼されても、正直うちの会社に旨味がない。

私: ・・・・・。

ジ: あれはあくまでも芸術を彩るオプションだから。

私: うーん・・・。

ジ: 絵画で言うところの額みたいなもんでさ、結局カメオは『掘る技術』だから。

私: いや、まぁそうかもしんないけどさ・・・。

ジ: 掘る技術でお金貰ってるわけだから、色付けだけで商売するのはちょっとなぁ・・・。

私: いやいやジュゼッペ兄さん、でもさ、良く考えてみましょうよ。

ジ: ・・・・・。

私: カメオ業界、総じて売上落ちてるでしょ?

ジ: まぁ趣向品だからな、景気悪いと仕方ないよ。

私: 俺が今扱おうとしている商材はバッグです。

ジ: はい。

私: 将来的にブランドとして成り立った暁には数千個、
   下手したら数万個の販売が望めるでしょう!?

ジ: まぁなぁ。

私: その全てにうちのブランドアイコンとしてカメオが付いてて御覧なさいよ。

ジ: でも開発に時間かかりそうだしなぁ・・・。

私: 何を保守的な!イタリア人みたいなこと言ってんじゃねぇよ!

ジ: イタリア人だし!

私: 例えばこの仕事で十分な利幅が取れなかったとしてもさ、カメオの宣伝にはなるじゃんね。

ジ: それはそうだけどさ・・・。

私: カメオがファッションと結びつくことの意味は大きいと思うけど。

ジ: なるほど。

私: 業界のリーディングポジションにいるんだから、新しいことやってみなきゃ!

ジ: いや、まぁ、そうだけど。

私: じゃ、一緒に頑張ってくれますね?

ジ: ・・・・・し、しょうがねぇなぁ。特別だからな。

私: だぁあああしゃぁぁああああああ!!!

-続く-

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