年内閉店

Yanagisawa Gioielli

突然ですが年内で店舗を撤退します。
長いことミラノにいましたが、
来年、日本に帰ります。

まだ暫くはミラノにいますが、
創業12年のラストクリスマスです。

GOD BLESS US

そんなことで本日も本題。

いや、もう、ちょっと、なんだか凄い来客数になっておりまして、
本日12月22日の時点での販売点数が100件を遥かに超えております。

閉店売り尽くしセールの効果がこれほどということは詰まり、
イタリアがどれだけ不景気かを物語っているのと同意。
弊社のある通りのなかで、賑わっている店舗はうちくらいなもんでして、
他店舗のオーナー達はこんなんじゃ年が越せないと嘆いておいでです。

ある意味、適正な時期だったのかなと思っています。

ミラノに赴任した2004年には、
店舗を立て直したら帰国する予定でした。

2006年には立て直し成功と呼んで良い状態になりましたので、
2007年には帰国案も一旦は出たのですが、
2、3年の滞在で帰国しても面白くないので、
じゃあブランド化目指してバッグでも始めてみっか?という。

2007年から本格的にバッグ事業に進出したものの、
まさにリーマンショックの2008年下半期からイタリア経済は大失速。
余剰分でしか購入されない我々の商材は景気に左右されまくりですから、
以降その売上を再上昇させるのはなかなか難儀なミッションとなりました。
その間、バッグ事業の成果が出始め、
気が付けば私も32歳で滞在10年、子供まで授かりました。

そろそろ帰りましょう。

ということです、つまり。
そもそも私は株式会社柳澤商會という弊社本社の跡継ぎですので、永住は不可能。
では、いつ帰国するのか、そして帰国する場合の店舗はどうするのか。
近年この2点が常時年頭にあり、
刻一刻と変化する店舗の売上やバッグ事業の展開などの動向を見ながら、
私の帰国のタイミングを計ってきたと言えます。

今年は昨年に比べて、やや売上が伸びました。
しかし私がいなくなった場合、我が店舗は指示系統をなくすだけでなく、
無償で利用できる最も使い勝手の良い人材を失うことにもなり、
なんだったらむしろ後者の方が痛い。痛過ぎる。

弊社の場合、商材の特性上、店舗勤務を1人に任せるわけにはいきませんので、
常時2人の社員が勤務している状態を維持しようと思うと、
最大4名の人員を確保する必要があり、
その場合の雇用税等、社会保障が莫大過ぎるのであります。

年齢的にイタリア経済の回復を待つ時間はありません。
社員だけで店舗を運営させるのは安全面的にも、金銭面的にも厳しい。

という窮地に追い込まれていた中での唯一のラッキーは、
弊社から20mほどの場所にGucciを始めとする大手ブランドが軒を連ねる、
所謂ファッションビル的な建物ができたことでした。
これにより弊社界隈は一時的な不動産バブルに嵌っています。

イタリアでは路面店の賃貸契約を交わす場合に、
保証金を銀行に預け、大家に3ヵ月分の家賃を前払いする他、
前店舗の運営会社から「営業権利」を購入するという訳の分からない慣習があり、
弊社も2001年にこの店舗をオープンする際にはその営業権利を買い取りました。

しかしながらその後時代は流れ、不景気に陥り、
この訳の分からない慣習は消滅の方向へまっしぐら。
結局、我々の払い損の様相を呈してきたのが2010年前後でしょうか。

ちなみにこの営業権利、安くても数百万します。
ミラノの一等地Via Monte Napoleone辺りに行きますと、
この営業権利だけで億を超えることも珍しくありません。

当時、いずれは返ってくるものですからと宥められて、
安くない金額を支払った我々はこれじゃピエロじゃないかと。
そんな遣る瀬無い思いに駆られたりしていたこの2年からの大逆転劇です。

上記のように弊社界隈が一時的な不動産バブルに嵌ったことで、
次店舗はすぐに見つかり、弊社が十数年前に支払った購入額を、
僅かながらでも超える金額での営業権利買取のオファーを受けました。

悲しいかな、全ての条件が揃ってしまったと言えましょう。

10年以上も営業を続けてきたのに決まるのは一瞬。
先方からは個人の主観を入れ込んでいる時間もなく即答を迫られ、
経営判断としてこの一瞬のタイミングを逃せば次はないことは明白でしたから、
不動産屋経由で今回のオファーを受けた日には断腸の受理。

2001年に設立してから12年と3ヵ月。
うち、私がこの店舗を勤務地としたのが9年と8か月。
明後日、12月24日にはその歴史に幕を閉じます。
そして来年、人生の1/3を過ごしたイタリアを遂に去ることになりそうです。

11月には弊店のお知らせを弊社顧客様にお送りし、
本当にたくさんのお客様から有り難いお言葉を頂戴致しました。

しみじみ、ありがたい。

とりあえず最終営業日前にこのエントリーをUPできて良かったです。
11月の末から、もう朝から晩までお客様が満員御礼でしたので、
しかしながらイタリアミラノジュエリー店長日記の私が、
ジュエリーと店長を今まさに失わんとせんわけですから、
どうにか24日までにはこのエントリーをあげなければとやきもきしていたわけです。

それから1つ大切なことを書いておきますと、
店舗はなくなりますが、法人はなくなりませんので、
引き続きバッグ事業の布教活動は行っていきますし、
来年、年始早々に日本に帰国するわけでもありませんし、
このブログがなくなるわけでもありません。

店舗がなくなり、来年は身が空きますゆえ、
弊社のブランド化事業には益々力を入れていく所存でありまして、
ある程度道筋ができて、ある程度の感触を得たならば、
またイタリアでの店舗運営に乗り出してみても良いかなと思っております。

どなた様も良いお年をお迎え下さい。

Merry!

閉店の節目に1クリックを。

ヨーロッパ(海外生活・情報) ブログランキングへ

「年内閉店」への3件のフィードバック

  1. 柳澤さま

    お店、お閉めになったのですね。長い間、お疲れ様でした。
    バッグ物語が終わったら、見せていただこうと思っていたので、少し残念ではありますが。
    (実は夏に伺ったのですが、お店までたどり着くまでに荷物が多くなってしまい、また今度、と思っているうちに、時間が経ってしまいました)

    これからのご活躍、お祈り申し上げます。
    時々onlineショップにも目を通しているのですが、どちらかでバッグ拝見できるようでしたら、お知らせいただければ嬉しく思います。

  2. 年内にこの記事に気づけたことに感謝

    日本は只今、大晦日の23時37分

    北島三郎さんがTVの中で歌っております

    引き続き、ブログは楽しみに拝見させて頂きます

    乱文、ご無礼ご容赦ください

    チェファルでのY氏結婚式にてお会いしました
    高原より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です